ゲーム開発の中でのサウンド部署の役割とは、、、
なんぞや?。
このところ、サウンド専門の人員を自社で抱えない開発会社が多いです。
「ハードの進化により、専門知識を持たない人でも開発に参加できるようになった」
という、環境の変化によるところもあるでしょうが、それ以上に
「外注に出したほうが経費がかからない」という点が大きいんだと思います。
まぁ、最近は無音のゲームが当たり前のようにに配信されとりますからなぁ。
当然ですが、サウンド部署を自社で抱えている会社の作品は、やはりサウンドのクオリティが高いです。
サウンドのクオリティーが高い=曲が良い と言っているのでは無いですよ。
あくまで、ゲームサウンド全体としてのクオリティが高いという事です。
サウンドの部署が無くても、「わかっている」人が居てくれれば良いのですが、
なかなかそういう人もいない事が多いわけで、、、そういう場合はとにかく詰めが甘いです。
こういうお仕事をしている自分は、その詰めの部分が非常に気になります。
これはゲーム開発の"あるある"みたいなものですが、
締め切り間際になってくると、プロデューサーやディレクターがテンパっちゃって、
音の事忘れてる?って聴きたくなる事が多い。 実に多い。
プログラマはバグとりに大わらわで、サウンドどころではありません。
さらに言っちゃうと、バグチェッカーで音をちゃんと聴いてる人間ってかなり少数。音のバグだって沢山あるのにです。
(確かに、担当者でないと解らない事も多いんですが。)
そういう時に、サウンド面に気を配る事のできる人が"居るか"、"居ないか"はめちゃくちゃデカい。
サウンド=BGM制作と思われがちですが、実は仕事の割合としてはそこまで高くはありません。
(作曲オンリーってパターンもありますが)
もちろんそれが仕事のメインではあるけれども、BGM全曲が揃ってからの仕事は山のようにあります。
そこでゲームのサウンドを完成させていくのです。
ほとんど注目されませんが、この時点での仕事は超重要。
ゲームサウンドのクオリティはほぼここで決まります。
それと、もう一つ。
「社内の人間だと、ゲームの企画にどっぷりつかる事ができる。」
これはすごく大きな違い(アドバンテージ)です。
音に限らずですが、ゲームの開発途中ででてくるアイディアは凄く多い。
そもそもゲーム開発が当初の"予定"及び"内容"から、寸分も違わず形になるなんて事はまず無いです。
ちょっとづつ、、、ちょっとづつアイディアが肉付けされていき、形を変えていきます。
開発現場を見ているからこそ出てくるアイディア。
これ、外注ではちょっと有り得ないんですが、そんな中で出てきたアイディアを、
ゲーム内にねじ込む事ができるのも社員ならではです。
KOF2000のエンディングがあの形になったのは、企画からの要望では無く、
単なる僕の思いつきです。
それまでの、開発進行状況やエンディング〜スタッフロールの仕様確認を経て
これならできるかな?と形にしたものです。
プログラマの強力無しには実現不可能でしたし、調整もそれなりに大変でした。
こういう事ができたのは、やっぱり社員だったからだと思います。
このようなネタ出しって面白いし、実現したら結構な達成感が得られるんですよ。
だから、外注として携わった作品を見て、「あー、ここはこういう事ができるよなぁ」とか。
「あんなのもアリだったなぁ」とか、そういう事を考えてしまう。
続編とかあれば、それが活かされたりもするのですが。
フリーランスになってから、そういう作業をする事はめっきり減ったので、
会社員時代のように、じっくり作り込みたいなぁ、という思いはずっと持っています。
むつかしいけどネー。
2012年10月30日
ゲーム開発の中でのサウンド部署の役割
posted by h_asanaka at 16:17| Comment(0)
| column-ゲームミュージック
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